日本産つりしのぶの手入れ方法

しのぶは東北以南地方の明るい日陰の、岩壁や古木等に着生しています、古典植物です。

寒さに非常に強く-10度でも生息します。

水切れにも強く1~2ヶ月雨が降らなくても生息します。

根茎が老化と新しい根茎の繰り返しで増えて行き深い山では30年以上生息します。

強い植物の為、明るい日陰で雨で濡れる場所につれば少々放っていてもそれなりに生育します。

日光には弱く夏季等、長時間直射日光が当たりますと衰弱したり枯れたりします。

 

下記の手入れ方法を参考にして頂き、当園のつりしのぶを善い葉姿で長年観賞して頂けますと幸いです。

■12月~2月 休眠期・落葉

・屋外で半日陰になる所につりましょう。

・乾燥すると根茎を傷めるので荒風の当たない、雨水の掛かる所につっておきましょう。

・水掛は、表面の土が乾いてから10日程経ちまして、湿らす程度にし根茎を太く保ちましょう。

・土が少し湿っている状態で新聞紙に包み、ビニール袋に入れ暗所に保管するのも傷めない方法です。

※寒い地域やマンションの上階、風の通り道等で絶えず吹きさらされているつりしのぶは根茎が傷みます。

※水分が多いとカビが発生する事があります。

※60日程度そのままで保管できますが、30日に一度くらい観察して、乾いていましたら少し湿らせて陰干しし、カビが発生しない様保管をお願いします。

■3月

・3月初旬頃に屋外につりましょう。(寒い地域の方は3月末頃)

・土が乾いていましたら十分に水掛けをしましょう。(寒い地域の方は湿らす程度)

・肥料はハイポネックスのマグアンプの大粒を年1回6粒程をつりしのぶ上部に均等に埋めると1年間賄えます。(12㎝玉型の場合)

つりしのぶの形状や大小に合わせて12㎝玉形に入れた粒量を基本にして増減します。

足らなければ3~10月にハイポネックスの原液を1000~1500倍に薄めて15日に1回程施すのが良いです。

葉色が薄ければ週1回程葉色が良くなるまで施します。

※濃い液肥はしのぶを著しく傷めますので気を付けて下さい。

■4月

・暖かい地域では待望の葉の芽が出てきます。

・4月~9月までは木漏れ日がちらちら当たる樹木の枝下、よしずの内側のような環境が最適です。(日光を80%程遮った場所)

・日射しが強ければ葉は短くなり弱ければ長くなります。

・芽が葉になっている最中、新葉の時に風の通り道等につってあったり、水圧の強い水掛はしないようにしましょう。

葉が垂れ下がったままの癖が付いたりよれ、しわが出来て、涼感をなくす場合が多くあります。

涼感が感じられますよう、葉をしゃきっと生育させましょう。

6月中期になりましたら強い葉に成長しますので、お好みの場所に吊られると良いですね。

水掛は、土が乾いたらすぐ、葉を傷めないよう、水中にそっと漬け込みます(30秒位)。

又はジョウロでふわっとやさしく土に染み込むよう水掛します。

※日射しが強すぎると葉焼けして色が薄くなり根茎も傷みます。

5月

4月を参考にして管理しましょう。寒冷地気候の方も待望の葉の芽が出てきます。

水掛は、葉を傷めないよう、水中にそっと漬け込みます(30秒位)。

又はジョウロでやさしく土に染み込むように水掛します。

6月

4月を参考にして管理しましょう。

日中の直射が長く当たりますと、葉焼けします(9時~17時)。

6,7,8,9月はアスファルト等の、熱気、蒸れに、葉わ弱いので風通しの良い所に吊りましょう。

樹木、建物、よしず等が影になり、直射が20%位に弱くなった日射しが当たる場所に吊ります。

水掛は、6・7・8・9月は玉の土が8割乾燥しましたら、水中にそっと漬け込みます(30秒位)。

又はジョウロでふわっとやさしく土に染み込むように水掛します。

薬掛け:虫類・ナメクジ・菌類・カビ類・苔類が発生しましたら、虫類・ナメクジ・カビ・コケ類は捕除し、効果のある薬を散布します。

菌類には菌類に合わせスミチオンを散布をします。

7~8月

涼感を楽しめる季節です。

6~9月は根茎の伸びる季節です適切な手入れをして〔肥料も切らさないようにして)増やしましょう

水掛は、6~9月は玉の土が8割乾燥しましたら、水中にそっと漬け込みます(30秒位)。

又はジョウロでふわっとやさしく土に染み込むように水掛します。

9月

ぼちぼち葉が、傷んでくるものもあります。

水掛は、土が9割乾燥しましたら、水中にそっと漬け込みます(30秒位)。

又はジョロでふわっとやさしく十分に水掛します。

10月

半日陰が良いです。黄葉してきます。

水掛は、土が乾燥しましたら湿る程度。

11月

半日陰が良いです。黄葉して晩秋の風情をかもし出します。

水掛は、土が乾燥しましたら湿る程度。

セッコクの手入れ方法

しのぶよりも水切れ、寒さ等、強いので、しのぶと同じ手入れをします。

通常は、滅多に枯れる事はありません。

羽蝶蘭等の手入れ方法

羽蝶蘭、鷺草、ギボシ等は植え込みますと通常は花が2年位咲きますが、しのぶの生育を優先する手入れをしますので、手入れ、環境が合わなくて、球根が腐ったりする事もありますので、ご承知下さい。

鷺草はつりしのぶと同じようにしまして、芽が出て、伸びている最中に水を切らして、葉がしおれましたら枯れますので、玉の土が乾いたらすぐに水掛をして、しおれさせないようにしましょう。

羽蝶蘭は土が乾き気味の方が良いです。

開花後はしのぶと同じ手入れをします。通常でしたら来年も花が咲きます。

ギボシは強いので、つりしのぶと同じ手入れをしますと、普通に生育します。

>>常緑つりしのぶの手入れ方法